2021.2 .6
大学院の夏休み1か月を利用して
四国遍路を一周しました。
毎日唱えていた般若心経。
今あらためて意味を考え直してみると
わかることが増えました。
・
・
・
・
ぶっせつまかはんにゃはらみたしんぎょう
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
・
仏様はいいました。
「さとりに至る考え方ってなんじゃろね?
言葉の力によって、さとりに導いてくれる呪文が
あったとしたら、それはどんなものなんやろか。」
・
かんじざいぼさつ
観自在菩薩
・
そこには観自在菩薩と修行僧達がいました。
修行僧達「仏様、悟りについて教えて下さい。」
観自在菩薩「おしえちゃろう。」
・
ぎょうじんはんにゃはら みっ た じ
行深般若波羅蜜多時
しょうけんごうんかいくう
照見五蘊皆空
どいっさいくやく
度一切苦厄
・
観自在菩薩「さとりへたどり着く方法を考えていたら、
ふぁっと閃いたんじゃよ。
この世界は5つの要素から成り立っている。
ごうん
その要素を五蘊と呼ぶそうじゃが、
それらは全て「空」なのじゃ。
ここ重要。
全てが空であると見極めることができれば、
一切の苦悩や災難から万人は救われる。
これすなわち、さとりである。」
・
・
しゃりし しきふいくう くうふいしき
舎利子 色不異空 空不異色
・
観自在菩薩は修行僧の一人である舎利子君にこういいました。
観自在菩薩「シャリリン、この世に存在する形あるものは全て
空なのじゃ。くうじゃよ。
空であるからこそ、全てのものがこの世に
生じているのじゃ。」
舎利子「先輩、くうの意味わかりません。」
観自在菩薩「わからんようにゆうとるんじゃ。
わかりやすくゆうちゃろう。」
・
しきそくぜくう
色即是空
・
観自在菩薩「たとえば、空に浮かぶ雲。
雲は毎日同じ形をして、同じ場所に浮いとるか?
そんなことはないのぅ。
毎日形を変えとるのぅ。
つまりじゃ、この世に存在する全てのものは
永遠不変なものなど一つもないのじゃ。
私にしろ、シャリリンにしろ、様々な動物、
昆虫、建物、国、地球、惑星、太陽系、宇宙、
全ては固定的ではなく、流動的なのじゃ。
自立的ではなく、相互依存的なのじゃ。
今ここに咲いている花も明日には枯れてしまう。
花は自分一人で咲いているわけではなく、
土、水、光、空気によって生かされているのじゃ。
その一瞬の存在に、
あれがむかつく、
あれがしんどい、お金が欲しい、名誉がほしい、
など思い悩んだりするのは、意味がないというか、
時間がもったいないとおもわないかね?」
・
・
くうそくぜしき
空即是色
・
観自在菩薩「逆にこうも言える。
一瞬で滅び去ってしまうが故に
次の瞬間、生まれてくるのじゃ。
あたかも、さっきまで何もなかった空に
大きな雲が現れるように。
何の意味も持たずに生まれてくるわけではない。
雨を降らせ、植物に生命を与えてくれる。
生まれたものが、また別のものを生み出すのじゃ。
別の要素に影響を与える。
生まれてくる意味があるのじゃ。
シャリリンにも同じことがいえる。
この地球に生まれて、自分に意味なんかなにもない
と思ったりしとらんか?
そんなことはありゃせん。
シャリリンの先祖、何万人から伝えられた生命をうけ
この世でしっかり生きているではないか。
シャリリンはまた別の誰かに影響を与え、
シャリリンの先祖の繋がりをしっかり引き継いでいるのじゃ。
あなたは、全ての存在にたいして
ありがたい存在なのじゃ。
何か一つでも欠ければ、あなたの存在はなかった。
だから、今、あなたか存在していることは奇跡といっても
過言ではないのじゃ。
想像してみて欲しい。
あなたがいる場所を。
あなたは今、地球という星にいながらにして
宇宙全体をくまなく流れ続けている。
いのちの巨大な運動体、宇宙運河の中を。
その巨大な宇宙の中で、あなたが欠けると
宇宙運河は成り立たない。
宇宙運河はあなたがいないと成り立たないのじゃ。
すなわち、あなたは宇宙そのものなのじゃ。
他のものも全て宇宙そのものなのじゃ。
他のものと深く結ばれていて
切っても切れぬ存在。大切にせんといかんじゃろ?
では、なぜあなたが生まれてきたんじゃろか。
それは「役割」があるからじゃ。
ともに生きる他のもののためにできることをするのじゃ。
他のものを思いやるこころをもつのじゃ。
くだらないこだわりを捨て
この一瞬のあいだに
自分らしく役割を果たすのじゃ。」
・
じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ
受想行識亦復如是
・
観自在菩薩「これまでは、形あるものについて話をしていたのじゃが、
実は形なきものも全て空なのじゃ。
暑い寒い苦しい快いという感覚(受)
想像力によるイメージ(想)
何かをなそうとする意思(行)
眼や耳や鼻や舌や皮膚や心によって知覚もの(識)
そのいずれもが、空なのじゃ。
形あるものは(色)なので、
色・受・想・行・識 これらを五蘊と呼び
五蘊は空である となるのじゃ。
・
しゃりし ぜしょほうくうそう ふしょうふめつ
舎利子 是諸法空相 不生不滅
・
観自在菩薩「シャリリンよ、形あるもの、形亡きもの全て空である
というはなしじゃったが、そうであるなら
生きる、死ぬも全て空であるということになる。
何をいいたいかというと
生きるも死ぬも、固定的ではなく、流動的なのだ。
自立的ではなく、流動的なのだ。
絶対的ではなく、相対的なのだ。
だから、永遠の生などない。
永遠の死などない。
生まれれば死ぬし、死ねば生まれる。
常に変化し続ける。
生と死は繋がっているものであって
生や死などそもそもありはしないのじゃ。
・
ふくふじょう ふぞうふげん ぜこくうちゅう
不垢不浄 不増不減 是故空中
・
むしき むじゅそうぎょうしき むげんにびぜっしんい
むしきしょうこうみそくほう
無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
・
むげんかい ないしむいしきかい むむみょうやく むむみょうじん
無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
・
ないしむろうし やくむろうしじん むくしゅうめつどう
むちやくむとく
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
・
いむしょとくこ
以無所得故
・
観自在菩薩「同様にして、きれいだとか、きたないとかもないし、
増えたとか、減ったとかもないのじゃ。
空哲学の立場からいうと
形あるもの 暑い寒いと感じる 眼でみるもの
耳からきこえてくるもの 鼻でかいだもの
思い悩んだもの全て空で ありはしないものなのじゃ。
あほな人と賢い人、若者と老人 そんな相対的なものなど
ありはしないのじゃ。差をつけること自体、意味がないのじゃ。」
・
・
ぼだいさつたえ はんにゃはらみったこ
菩提薩え 依般若波羅蜜多故
・
しんむけいげ むけいげこ むうくふ おんりいっさいてんどうむそう
心無けい礙 無けい礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
・
くうぎょうねはん さんぜしょぶつ
えはんにゃはらみったこ
究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
・
とくあのくたらさんみゃくさんぼだい
こちはんにゃはらみった
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
・
観自在菩薩「さとりを求めて修行に励む者達は空哲学のおかげで
何かにこだわったり思い悩んだりすることがない。
こころにこだわりがないから
何かを恐れることもない。
決して偉ぶらず、ひかえめで
常におだやかな表情をしている。
迷うことなく、臆することなく
さとりに至ることができる。
満点の星のような
過去、現在、未来の無数のほとけたちに
見守られ、助けられ、導かれながらさとりに至ることができるのじゃよ。
・
ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ ぜむじょうしゅ
ぜむとうどうしゅ
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
・
のうじょいっさいく しんじつふこ
こせつはんにゃはらみったし
能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
・
・
観自在菩薩「これからあなた方だけに明かす真理の言葉は
大いなる神秘の力をもった秘密の真言である。
無比にして、究極最高のマントラであり、
聖なる呪文なのである。
この呪文を唱えるならば、一切の苦厄は除かれ
すばらしいさとりの世界が開かれるであろう。」
・
そくせつしゅわっ ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい
即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦
・
はらそうぎゃてい ぼじそわか
波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
・
観自在菩薩「その呪文とはすなわちこれである。
ぎゃあてい ぎゃあてい はらぎゃあてい
はらそうぎゃあてい ぼうじ そわか
意味はこうじゃ。
いってみせる いってみせる 彼岸にいってみせる
さとりに至るぞ
やった、やったぞ
完全に往った
ああよくぞ往った。
おめでとう。
すばらしい。
最高だ。これ以上にない。
ばんざい ばんざい ばんざい。
次は生まれるほうじゃ。
生まれかわるぞ
生まれ変わるぞ
もうすぐ生まれかわれそうだ
おお生まれかわった
完全に生まれ変わった。
ああ、よくぞ生まれ変わってくれた。
おめでとう。
すばらしい。
最高だ。
・
ばんざい、ばんざい、ばんざい
・
はんにゃ しん ぎょう
般若心経
・
ありがたきかな 般若心経
・
・
参考書:般若心経 作者:新井満様
・
・
・
・
固定的ではなく、絶対的ではなく
流動的で、相対的である。
・
・
君はそのことに気が付いた。
生まれ変わるぞ。
おめでとう。
すばらしい。
・
・
1点に凝り固まってはいけない。
すべては流れ、繋がっている。
・
・
今日はこの辺で終わりとなります。
いつもありがとうございます。